塀にとまり、首をかしげて、まっすぐこちらを見ている。カラスの夢が目覚めてからも残るのは、カラスそのものがそういう鳥だからかもしれません。かしこく、声が大きく、いつもどこか近くにいます。古い夢の書物も、この鳥をよく知っていました。
| 夢の場面 | 古い書物の読み | 出典 |
|---|---|---|
| カラスの群れ | 訴訟が起こる | 『夢判斷實驗書』 |
| カラスの群れ | 庭に集まれば訴訟、林に集まれば敵 | 『夢判斷』 |
| カラスが家に入る | 家の項目はなし。物をくわえて庭にいるカラスは凶が多い | 『夢判斷』 |
| カラスが鳴く | カラスとスズメが騒ぐ夢は酒食 | 『周公解夢』 |
| カラスに襲われる | どの書物にも項目なし | なし |
| 子ガラスが親に餌を運ぶ | 親孝行な子、一家の平和 | 『夢判斷實驗書』 |
夢占いの古典では、カラスの夢はどう読まれてきたのか
明治の夢判断書、柄澤照覺の『夢判斷實驗書』(明治41年)は、カラスに三つの読みを残しました。「○烏の集るとみれば訴訟起るの兆」、物をくわえたカラスは凶が多く吉が少ない、そして「○子烏が親烏に餌を哺するとみれば孝子ありて一家平和の兆」です。中国の『夢林玄解』を和訳した『夢判斷』(明治39年)も、同じ場面を「慈烏反哺」の項に立てています。育ててくれた親に餌を返すカラスは、中国の古い親孝行の象徴でした。
中国の古典『周公解夢』には、明るい一行があります。カラスとスズメが騒ぐ夢を、酒食にありつくしるしと読んでいるのです。『夢判斷實驗書』はさらに、カラスを食べる夢を、災いが去り病が癒えるしるしとしました。西洋のミラーの夢事典(1901年、米国)だけは、カラスを見る夢をはっきり不運と悲しみと読んでいます。古い書物のカラスは、争いを運び、親孝行を表し、ときには宴の席にもいる鳥だったのです。
カラスは何をしていたか
ここで紹介するのは古い夢の書物の読みで、歴史として伝えるものです。夢は未来を予言しません。
カラスに襲われる夢の意味は?
頭めがけて急降下してくる、羽ばたきと鋭いくちばし。カラスに襲われる夢の項目は、このページで引くどの書物にもありません。心理学では、見張っていただけの心配や批判が、こちらに向かってきた感覚として読まれます。胸に刺さったひとこと、待ってくれなくなった問題です。追いかけられる夢もあわせてどうぞ。
カラスの群れの夢の意味は?
木々が黒く見えるほどのカラス。『夢判斷實驗書』はカラスが集まる夢を訴訟のしるしとし、『夢判斷』は場所で読み分けました。庭に集まれば訴訟が起ころうとするしるし、林の中に集まれば身に敵があるしるしで、どちらも、身を慎んでいれば無事だというのです。心理学では、群れは人づきあいの多い、騒がしい時期を映すと読まれます。
カラスが鳴く夢の意味は?
すぐ近くで、しわがれた声がくり返し響く。中国の古典『周公解夢』は「鴉雀相噪主酒食」、カラスとスズメが騒がしく鳴く夢を、酒食にありつくしるしと読みました。一方、ミラーの夢事典は、カラスの鳴き声を聞く夢を、人に言いくるめられて財産を手放してしまうしるしと読んでいます。同じ声が、東では宴に、西では口車に聞こえていたのです。心理学では、無視できないほどしつこい考えとして読まれます。
カラスはどこにいたか
カラスが家に入る夢の意味は?
窓から入りこみ、食卓の上にとまる。家に入るカラスの項目はありませんが、『夢判斷』は、物をくわえて庭にいるカラスの夢を、凶事が多く吉事の少ないしるしとし、善い人には吉、悪い人には凶と添えています。心理学では、鳥は翼の生えた考えです。家の中のカラスは、もう見ないふりができないほど近くまで来た考えを映すと読まれます。
心理学では、カラスの夢をどう読むのか
心理学では、鳥はよく、心の中の軽くすばやいもの、つまり希望や思いつき、自分への伝言として読まれます。カラスはその意味を保ったまま、重みを加えます。黒さと、見張るようなまなざしのせいで、希望よりも、落ち着かない考えを運ぶ鳥になるのです。気づいたのに考えないことにした何か、晴れない疑いです。
不吉な鳥というイメージも、心理学では内向きに読まれます。フクロウの夢と同じように、口に出せる前に、自分の中の見張り役が何かを察しているときに現れやすいというのです。鳥の夢全体については鳥の夢もどうぞ。
心に留めておきたい問い
最近気づいていながら、まっすぐ見ないようにしていることは何でしょうか。
明治の夢判断書は、集まるカラスを訴訟のしるしと読みました。けれど、あなたのカラスがいつも同じ電線にとまるのはなぜか、話し合いを避けている週にだけ現れるのはなぜか、それは古い書物には書かれていません。Dreamlockは、iPhone向けのプライベートな夢日記アプリで、App Storeで配信中です。吹き込んだ夢を、古い書物の読み、心理学の見方、ひとつの問いから読み解きます。未来を占うことはしません。