夢の中で誰かと激しく言い争い、心臓がどきどきしたまま目が覚める。喧嘩の夢は、相手が身近な人であるほど、朝まで重い気分を引きずります。
| 夢の場面 | 古い書物の読み | 出典 |
|---|---|---|
| 恋人・夫婦と喧嘩 | 夫婦のかんざしの奪い合いは別れ(西洋では仲が深まる) | 『夢判斷實驗書』、『黄金の輪』 |
| 家族と喧嘩 | 家族と争えば一家離別 | 『夢判斷實驗書』 |
| 友達と喧嘩 | 友人をののしれば事が成らない | 『夢判斷實驗書』 |
| 口論 | 自分が人と言い争うのは「吉」 | 『夢判斷實驗書』 |
| 殴り合い | 人を打てばその人の力を得る | 『夢判斷實驗書』 |
| 喧嘩に勝つ・負ける | 勝てば「吉」、負ければ「凶」 | 『夢判斷實驗書』、『夢判斷』 |
| 人の喧嘩を見る | 近所に親友ができる | 『夢判斷實驗書』 |
夢占いの古典では、喧嘩の夢はどう読まれてきたのか
このページでは、日本の夢占いの古典として、柄澤照覺の『夢判斷實驗書』(明治41年)と『夢判斷』(明治39年、『夢林玄解』の和訳)を引きます。『夢判斷實驗書』は人事の部に「打擲」「罵詈」の見出しを立て、殴る、殴られる、ののしる、ののしられる夢を、相手ごとに細かく書き分けました。人と言い争うのに仲裁する人がいれば「吉」、という行もあります。
面白いのは、喧嘩そのものより相手を重く見ていることです。自分が人と言い争う夢や人の口論を見る夢は明るく、家族や友人、見知らぬ人をののしる夢は暗く読まれます。西洋の本は、ミラーの夢事典(1901年、米国)が喧嘩を商売敵との不愉快な出会いと読んだのに対し、米国の夢占い本『黄金の輪』(1862年)は新しい事業の成功と、ほぼ逆に読みました。
身近な人との喧嘩
ここで紹介するのは、古い夢の書物に残る読みを、歴史の記録として伝えるものです。夢が未来を予言することはありません。
恋人・夫婦と喧嘩する夢の意味は?

恋人や夫と、夢の中で激しく言い争う夢です。『夢判斷實驗書』(明治41年)は「○夫婦釵を爭ふとみれば別れを主どる」と書き、夫婦が一本のかんざしを奪い合う夢を別れのしるしと読みました。ところが米国の夢占い本『黄金の輪』(1862年)は、恋人同士の喧嘩を逆夢として、ふたりの仲がいっそう深まるしるしと読んでいます。心理学では、言えずにいる不満や、相手を失うことへの不安が形をとった夢と読まれます。
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家族・親と喧嘩する夢の意味は?
親やきょうだいと、大声でぶつかり合う夢です。『夢判斷實驗書』(明治41年)は「○家内のものと鬪ふとみれば一家離別の兆」と書き、父母や兄弟をののしる夢にも一家の災いを読みました。米国の夢占い本『黄金の輪』(1862年)も、知人との喧嘩を家族の分裂と読んでいます。古代ギリシャのアルテミドロスは、身内と取っ組み合う夢を、その人とのいさかいそのものと読みました。心理学では、家族への甘えや、自立したい気持ちの表れとされます。
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友達と喧嘩する夢の意味は?
仲のよい友達と、些細なことから口論になる夢です。『夢判斷實驗書』(明治41年)は「○友人を罵るとみれば事成らざるの兆」と書き、友人をののしる夢を、物事がうまく運ばないしるしと読みました。一方、米国の夢占い本『黄金の輪』(1862年)は友人との喧嘩を逆夢とし、その友人とまもなく楽しい時間を過ごすしるしとしています。心理学では、友人関係の中で飲みこんでいる小さな違和感と重ねて読まれます。
口論と殴り合い
口論・言い争いをする夢の意味は?
相手に言い返し、言葉の応酬が止まらない夢です。『夢判斷實驗書』(明治41年)は「○我身人と罵り合ふとみれば吉」とだけ書き、言い争いの夢をあっさり「吉」としました。ミラーの夢事典(1901年、米国)は逆に、口論の夢を不幸と激しい争いのしるしと読んでいます。心理学では、夢の中の口論は、ふだん抑えている自己主張を思いきり外に出す、心のガス抜きとも読まれます。
殴り合いの喧嘩・人を殴る夢の意味は?
我を忘れて、相手に拳を振り上げる夢です。『夢判斷實驗書』(明治41年)は「○人を打つとみれば人の力を得るの兆」と書き、人を打つ夢を、その人の力を自分のものにするしるしと読みました。『夢判斷』(明治39年、『夢林玄解』の和訳)も同じ読みです。ところが古代ギリシャのアルテミドロスは、拳闘の夢を顔に傷を負う恥と損失のしるしとしました。心理学では、ふだん抑えている怒りの表れと読まれます。
知らない人と喧嘩する夢の意味は?
街で見知らぬ人とぶつかり、言い争いになる夢です。『夢判斷實驗書』(明治41年)は「○知らざる人を罵るとみれば他人に欺かれ」、侮られるしるしと読みました。一方、米国の夢占い本『黄金の輪』(1862年)は、見知らぬ人との喧嘩を、新しい友人や知り合いができるしるしとしています。心理学では、知らない相手は、自分の中のまだ認めていない一面を映すと読まれます。
勝ち負けと、見ている喧嘩
喧嘩に勝つ夢の意味は?
相手を言い負かす、あるいは取っ組み合いで勝つ夢です。『夢判斷實驗書』(明治41年)は「○人と鬪ふとみれば勝てば吉負くるは凶」と書き、勝ち負けで読みを分けました。ミラーの夢事典(1901年、米国)も、相手を打ち負かす夢を、勇気と粘りで名誉と富を得るしるしと読み、古代ギリシャのアルテミドロスも、相手が誰であれ勝つほうがよいとしています。心理学では、自信を取り戻したい気持ちの表れです。
喧嘩に負ける・殴られる夢の意味は?
一方的に殴られ、言い負かされて終わる夢です。『夢判斷實驗書』(明治41年)は、喧嘩に負ける夢を「凶」とし、「○人に打たるゝとみれば己の力を失ふの兆」とも書きました。ミラーの夢事典(1901年、米国)は、喧嘩に負ける夢を財産の権利を失うしるしと読んでいます。心理学では、負ける夢は、自分の力不足を感じている状態や、無理をして疲れている心と重ねて読まれます。
人の喧嘩を見る夢の意味は?

目の前で、他人同士が言い争っているのを眺めている夢です。『夢判斷實驗書』(明治41年)は「○人の罵り合ふとみれば近隣に親友を生ず」と書き、近所に親しい友ができるしるしと読みました。一方、ミラーの夢事典(1901年、米国)は、人の喧嘩を見る夢を、時間とお金の浪費のしるしとしています。心理学では、自分は関わりたくない対立や、周囲の緊張に気をもんでいる状態と重ねて読まれます。
心理学では、喧嘩の夢をどう読むのか
心理学では、喧嘩の夢は、心の中の対立が外に出たものとして読まれます。言いたいのに言えないこと、認めたくない自分の気持ち。その葛藤が、夢の中では誰かとの言い争いという分かりやすい形をとります。相手が身近な人ほど、関係が大切だからこそ生まれる不安を映していることが多いのです。
手がかりは、喧嘩がどう終わったかです。仲直りしたのか、言い負かしたのか、途中で目が覚めたのか。『夢判斷實驗書』が仲裁する人のいる喧嘩を「吉」としたように、争いの結末に目を向けると、夢の輪郭が見えてきます。
心に留めておきたい問い
いま、本当は誰に、どんな言葉を伝えたいと思っているでしょうか。
『夢判斷實驗書』は自分の口論を「吉」とし、家族との争いには一家離別を読みました。同じ喧嘩でも、相手と結末で読みは変わります。あなたの夢の喧嘩は、誰と、どう終わったでしょうか。Dreamlockは、iPhone向けのプライベートな夢日記アプリで、App Storeで配信中です。吹き込んだ夢を、古い書物の読み、心理学の見方、ひとつの問いから読み解きます。未来を占うことはしません。
