たてがみをなびかせて走る馬、静かに草を食む馬。馬の夢は、力強さと気高さが印象に残る夢です。絵馬や左馬のように、日本でも馬は縁起物として身近な動物ですが、ここで引く古い夢の書物はそうした習わしには触れておらず、場面ごとに吉も凶も読んでいます。
| 夢の場面 | 古い書物の読み | 出典 |
|---|---|---|
| 馬に乗る | 山に入れば困難に向かう | 『夢判斷實驗書』 |
| 馬から落ちる | 恥をかく、強い競争相手 | 『黄金の輪』、ミラーの夢事典 |
| 暴れ馬 | 馬を走らせれば商売の損 | 『夢判斷實驗書』 |
| 白馬 | 白馬に乗れば立身出世 | 『夢判斷實驗書』 |
| 黒い馬 | 望みごとの先延ばし | ミラーの夢事典 |
| 子馬 | 富貴となる | 『夢判斷實驗書』 |
| たくさんの馬 | 家が乱れ、心配が絶えない | 『夢判斷實驗書』 |
| 馬が川を渡る | 困難の中に幸福を得る | 『夢判斷實驗書』 |
夢占いの古典では、馬の夢はどう読まれてきたのか
このページでは、日本の夢占い(夢判断)の古典として明治の夢判断書と、西洋の古い夢事典を引きます。柄澤照覺の『夢判斷實驗書』(明治41年)には「馬を見れば」という一般的な行がなく、馬に乗ってどこへ行くか、どんな馬か、何頭いるかといった場面ごとの行だけが並んでいます。その多くは乗る夢で、白馬に乗れば出世、川を渡れば困難の中の幸福、山に入れば困難と、行き先によって読みが変わります。
西洋の本は、馬の夢をおおむね歓迎しました。ミラーの夢事典(1901年、米国)は、馬の夢を財を築き人生を存分に楽しむしるしとし、米国の夢占い本『黄金の輪』(1862年)は、馬の項の最後に、馬は夢に見るのにすばらしい動物だと書き添えています。ただしどちらも、馬から落ちる、馬が暴れるといった失敗の場面には、はっきり悪い読みをつけました。
馬に乗る夢
ここで紹介するのは、古い夢の書物に残る読みを、歴史の記録として伝えるものです。夢が未来を予言することはありません。
馬に乗る夢の意味は?

馬の背にまたがり、風を切って進んでいく夢です。明治の夢判断書『夢判斷實驗書』(明治41年)は「○馬に乘りて山に入るとみれば困難に向ふの兆」と書いています。馬に乗って山に入る夢は、困難に向かうしるしだ、という意味です。一方、米国の夢占い本『黄金の輪』(1862年)は、馬の背に楽々と上手に乗る夢を、世の中での運が開けるしるしと読みました。心理学では、馬に乗る夢は、自分の力や勢いをうまく扱えている感覚として読まれます。
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馬から落ちる夢の意味は?

走る馬から振り落とされ、地面にたたきつけられる夢です。明治の二冊にはこの場面の項目がなく、読んでいるのは西洋の本です。米国の夢占い本『黄金の輪』(1862年)は、馬から投げ出される夢を恥をかくしるしとし、ミラーの夢事典(1901年、米国)は、強い競争相手が現れて商売が少し苦しくなるしるしと読みました。心理学では、馬から落ちる夢は、勢いに乗っていたことが急に手に負えなくなる不安を映すと読まれます。
暴れ馬の夢の意味は?
馬が言うことを聞かず、猛スピードで暴走していく夢です。『夢判斷實驗書』(明治41年)は「○馬を走らすとみれば商業に損あるの兆」と書いています。馬を走らせる夢は商売に損があるしるしだ、という意味ですが、これは乗り手が馬を急かす場面で、勝手に暴れる馬の行ではありません。ミラーの夢事典(1901年、米国)は、暴れ馬に乗る夢を、友人や雇い主の愚かさで自分の利益が損なわれるしるしと読みました。心理学では、暴れ馬は抑えきれない感情の象徴です。
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どんな馬だったか
白馬の夢の意味は?

真っ白な馬が、光をまとって現れる夢です。明治の夢判断書『夢判斷實驗書』(明治41年)は「○白馬に騎るとみれば立身出世の兆」と書いています。白馬に乗る夢は立身出世のしるしだ、という意味で、『夢判斷實驗書』の馬の行で色を読んだのはこの一行だけです。ミラーの夢事典(1901年、米国)も、白馬を見る夢や乗る夢を繁栄と楽しい交わりのしるしとしましたが、汚れてやせた白馬なら、嫉妬深い友に信頼を裏切られると読んでいます。
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黒い馬の夢の意味は?

黒い馬が、じっとこちらを見ている夢です。明治の二冊には黒い馬の項目がなく、読んでいるのは西洋の本です。ミラーの夢事典(1901年、米国)は、馬の黒は待ち望んでいることの先延ばしを意味するとし、別の行では、黒い馬を、策略によって得る成功のしるしとも読みました。心理学では、制御しにくい衝動の象徴として読まれます。
子馬の夢の意味は?

生まれたばかりの子馬が、細い脚で立ち上がる夢です。『夢判斷實驗書』(明治41年)は「○駒をみれば富貴と爲るの兆」と書いています。子馬(駒)を見る夢は、富み栄えて身分も高くなるしるしだ、という意味で、馬の行の中でもとりわけ明るい読みです。ミラーの夢事典(1901年、米国)も、子馬の夢を、新しく始めることが思いのほかうまくいくしるしと読みました。心理学では、子馬は始まったばかりの計画や、成長途中の自分の象徴です。
たくさんの馬の夢の意味は?
草原に馬が群れをなし、地響きを立てて走っていく夢です。明治の夢判断書『夢判斷實驗書』(明治41年)は「○馬の多く居るをみれば家亂れて憂ひ絕へざるの兆」と書いています。馬がたくさんいる夢は、家が乱れて心配が絶えないしるしだ、という意味です。心理学では、同時に抱えている多くの物事として読まれます。
馬がいた場所、馬が死ぬ夢
馬が川を渡る夢の意味は?
馬に乗ったまま川に入り、水をかき分けて向こう岸を目指す夢です。『夢判斷實驗書』(明治41年)は「○馬に騎りて水を渡るとみれば困難の中に幸福を得ることあり」と書いています。馬に乗って水を渡る夢は、困難の中で幸福を得ることがある、という意味です。ミラーの夢事典(1901年、米国)も、馬で川を渡る夢を幸運のしるしとし、水が濁っていれば少し期待外れになると添えました。心理学では、川を渡る夢は、人生の節目を越えていく感覚として読まれます。
死んだ馬の夢の意味は?
倒れて動かない馬を見つける夢です。明治の二冊にはこの場面の項目がなく、ミラーの夢事典(1901年、米国)が、死んだ馬の夢を、さまざまな失望のしるしと短く読んでいます。心理学では、頼りにしていた力や勢いが尽きた感覚の象徴として読まれます。
心理学では、馬の夢をどう読むのか
心理学では、馬はよく生命力や行動力、そして本能的なエネルギーの象徴として読まれます。人を乗せて走る一方で驚けば暴れもする馬は、自分の中の力とその扱い方を映す動物です。
馬を乗りこなしている夢なら、自分の力を上手に使えている状態、振り落とされたり暴走されたりする夢なら、状況や感情の手綱を握りきれていない状態と重ねて読めます。『夢判斷實驗書』が馬の色や数、行き先で読みを分けたように、細部で意味が変わると考える点では、古い書物と心理学は同じところを見ています。
心に留めておきたい問い
いま、あなたが手綱を握りたいのに、まだうまく扱いきれていない力は何でしょうか。
『夢判斷實驗書』は、馬に乗って山へ向かうか、川を渡るかで読みを変えました。夢の馬はどこへ向かっていたのか、手綱は誰が握っていたのか。行き先を覚えていなければ、走っていた道の景色だけでも書き留めておくとよいでしょう。Dreamlockは、iPhone向けのプライベートな夢日記アプリで、App Storeで配信中です。吹き込んだ夢を、古い書物の読み、心理学の見方、ひとつの問いから読み解きます。未来を占うことはしません。
