雨がやみ、光が変わり、空の向こうにそれがかかっている。虹の夢は、人がうれしそうに話す数少ない夢のひとつです。古い夢の書物もおおむね虹を歓迎しましたが、条件つきでした。日本と中国の書物は虹の色を、西洋の書物は誰が見たかを気にしていたのです。
| 夢の場面 | 古い書物の読み | 出典 |
|---|---|---|
| 赤い虹を見る | 「立身出世の兆」 | 『夢判斷實驗書』 |
| 黒い虹を見る | 「口舌あり」 | 『夢判斷實驗書』 |
| 虹を見る | 健康と繁栄 | 『黄金の輪』 |
| 二重の虹 | どの書物にも項目なし | なし |
| 虹が消える | どの書物にも項目なし | なし |
夢占いの古典では、虹の夢はどう読まれてきたのか
日本の夢占い(夢判断)の古典として、このサイトが引く明治の夢判断書、柄澤照覺の『夢判斷實驗書』(明治41年)は、「天文類」に虹の行を二つ置いています。「○虹の赤きを見れば吉立身出世の兆」「○虹の黑きを見れば口舌あり」。赤い虹は出世のしるし、黒い虹は口論のしるし。二行とも、虹そのものではなく色を読んでいるのが特徴です。
中国の古典『周公解夢』には「赤虹見吉黑虹凶」という七字の行があり、明治の本はこれをほぼそのまま日本語に移したと考えられます。中国の『夢林玄解』を和訳した『夢判斷』(明治39年)には、虹を見る夢そのものの項目がありません。虹はたとえとして出てくるだけで、「全身華やかに光を放ちて虹のやうに見える夢」を、「世が文明に進み物事が華美になり我又美しき衣服を得る前兆なり」と読んでいます。
西洋の本は、もっと手放しです。米国の夢占い本『黄金の輪』(1862年)は、明るい虹を見る夢を「すばらしい夢」と呼び、明るければ明るいほどよく、健康と繁栄のしるしとしました。ミラーの夢事典(1901年、米国)も、虹を思いがけない出来事と、物事が明るい方へ向かうことと読んでいます。
虹はどんなふうに見えたか
ここで紹介するのは古い夢の書物の読みで、歴史として伝えるものです。夢は未来を予言しません。
虹を見る夢の意味は?
野や街の上に虹が立ち、思わず足を止めて見上げる。『黄金の輪』は明るい虹を健康と繁栄、恋人たちには幸せな結婚と読み、ミラーの夢事典は、緑の木々の上に低くかかる虹を、どんな企てもうまくいくことと読みました。色に注目した『夢判斷實驗書』なら、赤い虹は出世、黒い虹は口論です。心理学では、天気が変わり、灰色だったものがまた見えるようになった安堵として読まれます。
二重の虹の夢の意味は?
外側にもう一本、色の順が逆になった淡い虹がかかる。二重の虹の項目は、このページで引くどの書物にもありません。心理学では、重なりは強調として読まれることが多く、思っていた以上の安堵や、二度確かめられたように感じる希望を映すと考えられます。
虹はどうなったか
虹が消える夢の意味は?
誰かに見せようと振り向くと、もう薄れはじめている。消えていく虹の項目も、古い書物にはありません。心理学では、とどまってくれないよい瞬間として読まれます。来たと思ったらすぐ去った安堵や、頼りきるのが怖い希望です。よい知らせに何か条件がついていた日のあとに、見やすい夢です。
心理学では、虹の夢をどう読むのか
心理学では、虹を単独で読むことはあまりなく、嵐の終わりとして読みます。夢の嵐のあとに来る静けさは、嵐そのものと同じくらい多くを語るとされ、虹はその静けさが目に見える形になったものです。夢の雨は、悲しみや緊張がようやく落ちていく解放として読まれます。虹は、それが落ちきったあとに見えるものなのです。
ですから、虹の夢がまず問いかけるのは、その前の嵐が何だったかです。そうした夢については嵐の夢と雨の夢もどうぞ。
心に留めておきたい問い
最近ゆるんできた難しい時期は何でしょうか。そのことに、自分で気づけているでしょうか。
明治の夢判断書は、赤い虹に出世を読みました。けれど、あなたの虹がなぜ言い争いのあとにばかり出るのか、なぜいつも海の上にかかるのかは、古い書物には書かれていません。Dreamlockは、iPhone向けのプライベートな夢日記アプリで、App Storeで配信中です。吹き込んだ夢を、古い書物の読み、心理学の見方、ひとつの問いから読み解きます。未来を占うことはしません。