車の夢は、ハンドルを握る手の感覚や、窓の外を流れる景色まで妙にはっきりしていることがあります。行き先がわからないまま走り続けたり、止まりたいのに止まれなかったり。夢の中の車は、自分の暮らしの進み方をそのまま映しているように感じられます。

夢の場面 古い書物の読み 出典
車に乗る 大通りを走れば財を得る(乗り物としての車) 『夢判斷實驗書』
車が故障する 輪のない車は、志がかなわない 『夢判斷實驗書』
車が見つからない 若い女性なら、人の気を引く狙いが外れる ミラーの夢事典
赤い車 朱塗りの車に乗れば、火の災い 『夢判斷實驗書』
新車を買う もとの地位を取り戻す ミラーの夢事典

夢占いの古典では、車の夢はどう読まれてきたのか

このページでは、日本の夢占い(夢判断)の古典として、柄澤照覺の『夢判斷實驗書』(明治41年)を引きます。明治の夢判断書に自動車は出てきませんが、器物の項に乗り物としての「車」の行がいくつかあり、ここではそれを自動車の夢の手がかりとして紹介します。大通りを走れば財を得る、坂を上れば昇進、下れば凶と、車の進み方で読みを分けているのが特徴です。

西洋では、ミラーの夢事典(1901年、米国)が、自動車がまだ珍しかった時代に「自動車」の項を立てました。ミラーは自動車に乗る夢を、恵まれた状況にいながら落ち着かず、暮らしに変化を起こすしるしと読み、軽はずみなふるまいへの注意も添えています。運転する夢やブレーキの夢のような現代の場面は、どちらの本にもありません。

運転する夢、乗る夢

ここで紹介するのは、古い夢の書物に残る読みを、歴史の記録として伝えるものです。夢が未来を予言することはありません。

車を運転する夢の意味は?

自分でハンドルを握り、道を走っている。スムーズに進むこともあれば、狭い道で冷や汗をかくこともある夢です。明治の夢判断書にも西洋の古い夢事典にも、自分で運転する場面の項目はありません。心理学では、運転する夢は、自分の人生や仕事をどれだけ自分で動かせていると感じているかを映すと読まれます。運転が楽しかったのか、怖かったのかが、いちばんの手がかりです。

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車に乗る夢の意味は?

誰かの運転する車の助手席や後部座席に乗っている。行き先を決めるのは自分ではない夢です。『夢判斷實驗書』(明治41年)には自動車はありませんが、乗り物の車について「車に乗りて大道を走るとみれば財を得るの兆」と書き、車に乗って大通りを走る夢を、財を得るしるしと読みました。ミラーの夢事典(1901年、米国)は、自動車に乗る夢を落ち着かなさと暮らしの変化と読んでいます。心理学では、人の車に乗る夢は、誰かに進む方向をゆだねている状態として読まれます。

ブレーキが効かない夢の意味は?

ブレーキが効かない夢:急な夜の坂道を、はるか下の村へ向かって下っていく小さな車の絵
ブレーキが効かない

ペダルを踏みこんでも、車が止まらない。坂道で速度が上がっていく恐怖は、目覚めても体に残ります。ブレーキの故障は、明治の夢判断書にも西洋の古い夢事典にも出てこない、現代の夢です。心理学では、この夢は、自分では止められない勢いで進んでいる状況、たとえば仕事の忙しさや、引き返せなくなりつつある決断への不安を映すと読まれます。何を止めたかったのかを考えてみると、手がかりが見えてきます。

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車が壊れる・なくなる夢

車が故障する夢の意味は?

走っている途中で、車が動かなくなる。先へ進めない焦りだけが残る夢です。『夢判斷實驗書』(明治41年)は乗り物の車について「車に輪なしとみれば志望を達すること能はざるの兆」と書き、輪のない車の夢を、志を遂げられないしるしと読みました。ミラーの夢事典(1901年、米国)も、乗っている自動車が故障する夢を、楽しみが期待したほどの高みには届かないしるしとしています。心理学では、故障する車は、疲れや準備不足で思うように進めない自分として読まれます。

車が盗まれる夢の意味は?

車が盗まれる夢:街灯の下の空いた駐車スペースと、光の中に落ちている鍵の絵
車が盗まれる

停めておいたはずの場所に、車がない。盗まれたと気づいた瞬間の血の気の引く感覚が残る夢です。車の盗難は、ここで引く古い書物のどれにも出てきません。心理学では、車は自分の行動力や自由の象徴で、それを盗まれる夢は、自分の力や居場所を誰かに奪われている、あるいは失いつつあるという感覚を映すと読まれます。

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駐車場を歩き回っても、自分の車が見つからない。どこに停めたのかも思い出せない夢です。明治の夢判断書にこの場面はなく、手がかりは西洋の本です。ミラーの夢事典(1901年、米国)は、若い女性が自動車を探す夢を、誰かの気を引こうとする狙いが外れるしるしと読みました。古い本がこの場面に触れた、数少ない一行です。心理学では、車が見つからない夢は、進む方向や、自分らしさを見失っている感覚として読まれます。

車の色、車を買う夢

赤い車の夢の意味は?

赤い車の夢:暗い畑のあいだ、月明かりの砂利道にぽつんと止まる赤い車の絵
赤い車

真っ赤な車は、夢の中でもひときわ目を引きます。『夢判斷實驗書』(明治41年)に赤い自動車はありませんが、朱塗りの車について「朱塗の車に乗るとみれば火難の兆」と書き、朱塗りの車に乗る夢を火の災いのしるしと読みました。赤い色と火の読みが、理由の説明なしに並んでいます。心理学では、赤い車は、情熱や勢い、人目を引きたい気持ちの象徴として読まれることがあります。

新車を買う夢の意味は?

ぴかぴかの新しい車を手に入れる。わくわくした気持ちで目覚める夢です。明治の夢判断書に車を買う場面はなく、ミラーの夢事典(1901年、米国)が乗り物全般の項で、乗り物を買う夢を、もとの地位を取り戻すしるしと読んでいます。売る夢は、逆に暮らしの悪い変化としました。心理学では、新車を買う夢は、新しい出発や、自分を新しく見せたい気持ちの表れとして読まれます。

心理学では、車の夢をどう読むのか

心理学では、夢の中の車は、自分がどう人生を進んでいるかを表すものとしてよく読まれます。誰が運転しているのか、スピードは速すぎないか、ブレーキは効くのか。車の状態は、自分で自分の暮らしをコントロールできていると感じているかどうかを映す、というのが一般的な読み方です。

車の夢は、仕事や進路、人間関係で大きな決断を迫られている時期に見やすいといわれます。運転席にいるのが自分ではなかったなら、誰かに決定をゆだねている状態を映しているのかもしれません。

手がかりは、車の中での自分の位置と気持ちです。大通りを走るか坂を下るかで読みを分けた明治の夢判断書のように、どこをどう走っていたかにこそ、夢の意味が表れます。

心に留めておきたい問い

いま、自分の人生の運転席に座っているのは誰でしょうか。


牛車や荷車の時代の本でさえ、大通りを走るか坂を下るかで車の読みを変えていました。夢の車がどんな道を走っていたのか、運転席と助手席のどちらに座っていたのか。道の景色まで書き留めておくと、夢の続きが見えてくることがあります。Dreamlockは、iPhone向けのプライベートな夢日記アプリで、App Storeで配信中です。吹き込んだ夢を、古い書物の読み、心理学の見方、ひとつの問いから読み解きます。未来を占うことはしません。